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こうしてL字型にすることの利点って何だろう。
土地は十分すぎる程広いから、そんなことしなくても庭はしっかりとあるし・・・。
その分窓がたくさんできるから??

大谷建築士のコメント
「借景技法」については前述しましたが、この建築がL字型をしているのにはきちんとした訳があります。
この敷地の最大のチャームポイントは、湖とその周囲のランドスケープです。ミースはこの希なる敷地の財産を余すところ無く活用するためにこの建物を設計しています。
すなわち、居室の窓はすべて湖を借景し、逆に東側にある住宅と北側の道路を敷地内の庭から視覚的に排除しているのです。日本の屏風のように。
こうすることによって、ひとたび建物の中に入ってしまうと、背後にある「雑景」を意識することなく存分に湖の景色を堪能することができる。
建築家の安藤忠雄氏が作品の中で長いコンクリートの壁をめぐらしているのは、風景を切り取って、自らが歩みを進めるごとにドラマチックに変化する景観を体験するための装置として使っていますが、ミースのそれと原理は同じです。
設計者は「閉じる」とか「開く」という単語で空間の意味付けを整理したりします。


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