2005年11月05日

ALWAYS 三丁目の夕日

いつもは買わない映画のパンフレットを、今日は買った。
見終わった後も、この映画の世界に触れていたかったからです。

『ALWAYS 三丁目の夕日』
この映画は、みんな見た方がいい。すごい。
映画という2時間の映像作品の意味がわかった気がした。
映画という媒体の必要性というか、その形態の必然性というか。
うまく言えないが、とにかく、すばらしい作品でした。

私はその時代に生きていないから、懐かしいという感傷はないけど、
うらやましいという感情を持った。

自分は、鈴木オートの社長のような性格ではないけど、
あんな人に憧れているんだと思った。
堤さんは何の役をやってもそうだけど、格好いい。

女性の場合は、鈴木さんの奥さんに対して同じような感覚を持つのか知らん。
私の母もそういうことがあったけど、たまに「すごい」ことをする。
子どもながら、この人にはかなわない、と思わせることをする。
子どもが十分に母親のすごさを感じている時に、あえて「感謝しなさい」と言う、
そのリアルな台詞で泣いた。

昭和30〜40年代の母親像なんだろう。
薬師丸ひろ子さんがいつのまにか母親役をやっていることも驚きだけど、
役者さんというのはすごいね。母親の顔をしてた。

子役がすごかったなあ。
青森から就職で東京にやってきた六子も、小雪さん(の役)も、いい。
とにかく、みんないいんだよなあ。

ストーリーも、ストーリーとともに建ち上がっていく東京タワーも、
そしてラストで竣工するという構成も、とにかく、とても美しい日本の映画なんです。

いつものようにレイトショーで観たのですが、観客は年配の方が多かったような。
私の隣は、還暦は超えていらっしゃるとおぼしきご夫婦。
彼らが涙する場面が映画と重なって、妙な臨場感がありました。

戦後13年、日本人のすごさを日本人に見せるという思いを込めて作られたという、
世界一の東京タワー。
その許で暮らす人たちの日本人としての誇りと、世界見てろよ、という、
でも焦りではない挑戦的な心情まで伝わってくる。

主役は誰、といいにくいオムニバスな構成なのですが、吉岡秀隆さんでしょうね。
北の国からの純君と同じくらい、この役は彼でなくてはという好演でした。

昭和33年といえば、当然パソコンもない。
その時代に今と同じ年齢の私が居たとしたら、何をやっていただろう。

現代だからフォトキャビ.ネットというネット上のプログラムができて、
それを公開なんてことができて、直接には知らない多くの方が使ってくれて、
たくさんの写真を見せてもらうことができて、私も楽しませてもらっている。

DTPという環境ができあがっているからPonもできた訳で、
やっぱりパソコンがないと、私の生活はあり得ない、とも言える。
もちろん、パソコンがあるからそれを使っているだけなのだけど、
パソコンがないと、今の私の時間の使い方の大部分はなくなる。

そうしたら、何をしているんだろう。
でも多分、何かを作る仕事をしていただろうとは思うが、
あの三丁目だったら、何かなあ。


気になる映画は公開初日に観る、の実行でした。
観てよかった、そしてDVDが出たら買う。
何度でも観たい、私にとってはそんな素晴らしい作品でした。

そうそう、パンフレットには当時の東京タワーのガイドブック復刻版が付録になっています。

Posted by shed at 2005年11月05日 23:50
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